設定業界用語も一通り覚えた頃。そのテストを兼ねてスロットコーナーの一部を管理しろと師匠から指示が出る。店の交換率は8枚と比較的高設定を入れやすい条件。 パチプロ時代にスロットを打っていた経験も有ったのでかなり自信が有った。 師匠からの指示は… 任せた機械で月間250万の利益を上げろとの事!!この時250万位なら簡単に利益を出せると思っていた。 何故なら一日辺り8~9万円程度の利益で、一台辺りに直せば3000円~4000円程度儲けるだけで 月間250万に届くのだから。但し条件が有って利益が足らない場合はクビになる覚悟もしておく様に言われた。 そして数日後の2001年11月30日の夜から設定を任される事になる。 初めて設定を投入した機械・・・ コングダム・カンフーレディーの合計30台を相手に設定の難しさを思い知らされる。 初日は師匠の友人の設定師さんが見守る中、釘帳と呼ばれる物に自分が投入したい設定を書き込んで行く。 その光景を設定師さんと師匠はニヤニヤしながら見つめていた。 それでも設定毎の出玉率は判っていたので、目標とする出玉率に成る様にメリハリを付けながら 設定を書き込んで行った。そして出来上がり。 1~6まで全ての設定を1352653461の様に不規則に並べ、師匠と設定師さんに見せる。 今思えば恥ずかしい限りだが、当時の私は自信に満ち溢れていた。 自信満々で師匠に見て貰いのOK頂いたので設定を順番に叩いていく。 この時設定を叩きながら、明日これで本当に利益が取れるのだろうか?もし赤字になったらどうしよう。 猛烈な不安がよぎるが計算は間違っていない自信が有ったので絶対に明日は儲かるはずだと思っていた。 そして翌日、開店してからは自分が設定した台の挙動が気になって仕方が無い 。 もぅ大当たりが発生するたびにドキドキして利益がとれるか心配で無かった。 一時間おきにホルコンで 利益額がどの位に成っているのか何度も確認した。 確認すればするほど出玉率と割り数は意に反して上昇して行き、夕方を過ぎた頃には赤字に突入してしまう。 もぅこうなると一刻も早く店を閉店したくて、仕方なかったがそう言う訳にも行かず 赤字のまま閉店を迎える。この日の赤字額は¥134、200-想定していた額とは20万以上の開きが有った。 閉店後落ち込み気味の私に師匠が一言。 『そりゃ~お前あんな設定したら赤字にもなるでぇ~ まぁええは♪ 明日は日曜日やよ~く考えて設定入れろや』 あれだけ偉そうに設定6を使わないと駄目だ、と言っていた人間が次の日から設定6を全く使わなくなった。 指示された利益を出す事の難しさ、そして客の信頼を裏切らない事。釘師・設定師とは、 そのどちらにも支持されなければやって行く事が出来ない稼業なのだと改めて実感し反省した。 【続く】 【目次へ戻る】 ジャンル別一覧
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